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活動と政策

2018.3.31 (日)

自主避難者の賠償認める―京都地裁、国の責任を三度断罪

 東京電力福島第1原発事故を受け、福島県などから京都府への自主避難者ら57世帯174人が国と東電に計約8億5000万円の損害賠償を求めた訴訟で、京都地裁は15日、国と東電の責任を認めるとともに、自主避難については新たな基準を示した上で、避難を相当と認め、賠償するよう命じました。

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 原発避難者の集団訴訟は全国で約30件。国の責任を認めたのは、昨年3月の前橋地裁、同10月の福島地裁判決に続いて3件目。関西での判決は初となります。
 浅見宣義裁判長は、国と東電は原発の「敷地高10㍍を超える津波の到来を予見できた」と認定。国は「遅くとも、2006年時点で安全対策を命じる権限を行使すべきだった」と判断しました。
 判決では、国の避難指示基準(年間被ばく線量20㍉シーベルト)について、「そのまま避難の相当性を判断する基準とはなり得ない」とし、「各自がリスクを考慮して避難したとしても社会通念上、相当な場合はあり得る」と指摘。避難の相当を認める判断基準として、「自主避難等対象区域」(国の中間指針追補に基づくもので、福島市やいわき市など)に居住し、2012年4月までに避難したか、同区域外(茨城、千葉県など)についても▽原発からの距離▽居住地の自主避難状況▽避難した時期▽家族に子どもがいたか―などの項目を示しました。
 判決を受け原告らが開いた報告集会で、弁護団事務局長の田辺保雄弁護士は「国の責任を明確に認め、これまで賠償外とされてきた人たちの賠償も認められたことは大きい」「自主避難者に希望を与える画期的判決」と評価しました。
 茨城県北茨城市から京都市へ自主避難した川﨑安弥子さんは「避難することが認めてもらえた」と涙で声をつまらせながら、喜びの声を上げました。
 ただ、判決では原告174人のうち64人については賠償を認めず、原告側は不服として控訴する方針です。原告団共同代表の萩原ゆきみさんは「全員の賠償が認められなかったのは悔しいが、あきらめずに闘い続けたい」と述べました。

(「京都民報」2018年3月25日付より)
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