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活動と政策

2018.4.9 (月)

この「つながり」を力に、さらに前へ!―知事選報告集会での渡辺府委員長の発言

*お集まりのみなさん。知事選挙勝利をめざした日々のご奮闘、ご苦労様でした。
 福山和人知事を実現できなかったことは、極めて残念です。しかし、私たちは、後世に誇れるたたかいをできたのではないでしょうか。わずか2ヵ月の取り組みで、福山候補は現職陣営を追い上げ、前回比1.5倍(147.2%)を得票、44.1%の得票率は、蜷川府政落城(1978年)以降10回の選挙のいずれをも上回る、大善戦・大健闘の結果です。
本当に素晴らしい候補者でした。市民の願いと運動に応えて決然と出馬を決意され、たたかいをリードした福山和人さん、そしてご家族にも、改めてみなさんとともに、感謝とねぎらいの拍手を送りたいと思います。

*得票結果について、現時点で言えるいくつかの特徴について報告します。
過去10回の選挙で最高の峰は、得票率では1998年の41.4%(361864票)、得票数では2002年の391638票(39.6%)でした。投票率の著しい低下のもと、得票実数で及びませんが、得票率は文字どおり最高です。相手候補は過去10回で最少の得票数でした。 自治体・行政区毎の得票結果の特徴は、次の通りです。
 左京区で、福山候補が相手候補に2581票差の52.8%を獲得しました。福知山市、南丹市、八幡市、京田辺市、木津川市、与謝野町、井手町、笠置町、和束町、精華町の5市5町では、得票実数で1998年森川票を上回りました。そのうち、南丹市、京田辺市、井手町、与謝野町、精華町は、2002年森川票をも上回りました。
各種出口調査では、福山さんは共産党支持層の9割を固め、支持政党なし層の5割強、立憲民主党支持層の6割近くを獲得。民進党や希望の党支持層からも3~4割程度獲得し、自民党支持層からも15%程度獲得しています。なお、NHK出口調査での政党支持率は、自民37%、支持政党なし31%、共産12%、立民9%、公明4%、維新3%、民進2%、希望1%でした。一方、「西脇氏優勢、福山氏追う」と4月3日付京都新聞が報じた時点での一般有権者の支持動向は次の通りでした。「無党派層への浸透」は西脇氏4割に対して福山氏が2割。「立憲民主党支持層への浸透」は、西脇氏5割に対して福山氏3割でした。その時点での有権者の政党支持率は、自民35.1%、支持政党なし33%、立民9.9%、共産9.8%、公明3.9%、維新2.4%、希望1.3%、民進1%でした。
 相手陣営は推薦政党の支持を固めきれず、福山陣営は政党支持の枠を大きく超えて得票を伸ばしました。実際、西脇票は、昨年秋の総選挙での推薦政党比例得票合計の約半分(51.1%)、福山票は、同じく共産党票の2倍強(211.4%)です。

*この得票結果をもたらした要因として、次の3点を強調したいと思います。
 何より第1に、「候補者力」が抜群で、具体的な政策も得票増の力になりました。
 「民主府政の会」の2.21集会における福山演説のDVDが各所でくり返し上映され、人々の感動と選挙戦への参加意欲を呼び起こしました。ネットでも無数に拡散され、全国各地から、あるいはニューヨークからも、京都の有権者への声かけが進みました。「府民を丸ごと全力応援」「政治で一番大事なことはウソをつかないこと。そのことに国も地方もない」など、福山さんが紡ぐ言葉の一つひとつが、「こんな人こそ京都の知事にふさわしい」と共感を広げ、「知事になったらすぐやる政策パッケージ」など、政策の具体性が、相手候補との対比で支持を広げる力になりました。「子どもの医療費を中学校まで無料に」の福山公約に対して、西脇氏が当選後に「拡充の余地がある」と述べたことは、今後の運動にとって注目に値します。府北部で得票増が顕著ですが、原発問題と再生可能エネルギーへの転換、米軍基地問題を訴えたことも重要でした。
 第2に、「民主府政の会」も含む確認団体=「つなぐ京都」の輪が、力になりました。
 「3.11」以降の「原発ゼロ」の運動、2015年以来戦争法反対のたたかいに立ちあがった人々、古くから環境問題の運動に尽力してきた人々など、京都の市民運動のほぼすべての潮流が福山陣営に合流し、ビラをつくり、企画を立案・実行し、電話作戦にも熱心に取り組み、力を発揮しました。個人と「民主府政の会」の構成団体、政党が、互いをリスペクトし、それぞれの役割にふさわしく総力を発揮する共同でした。左京区では、毎月の「19日行動」に、市民と諸団体、日本共産党が共同してデモで市役所まで行進するなど、日常的に「市民と野党の共同」が目に見えて進み、この努力が過半数得票の力になりました。
少なくない市民が、「昨年の総選挙で共闘の危機を救った共産党」への信頼を、選挙戦参画の動機として語っていのは、日本共産党にとってたいへん嬉しいことです。また、「攻める福山、逃げる西脇」「追いつけ、追い越せ」と、「民主府政の会」の総決起が、広い市民の奮起とあいまって選挙戦の勢いをつくりだしました。
 第3に、森友文書改ざんや自衛隊日報隠蔽などへの有権者の怒りが、知事を選択する動機となったことも、今回選挙の客観的な条件でした。私たちは、「アベ政治を京都に持ち込む中央官僚はアカン」「憲法を府政に生かす福山さん」と候補者対比を鮮明に押し出し、相手は「国政と地方政治は別」と言い訳に終始しました。廣渡清吾氏(元学術会議会長)、内田樹氏(神戸女学院大学名誉教授)、寺脇研氏(元文科省大臣官房審議官)、佐高信氏(経済評論家)などが続々京都入りして、「福山知事誕生で京都から国の政治を変えよう」と訴え、知事選挙は全国注視、激戦の様相を帯びました。選挙結果は、安倍政権と与党の心胆を寒からしめ、国民のたたかいを励ましています。

*今回の投票率は35.18%と、知事選史上最低だった前回(34.45%)並みに終わりました。国政では結束して安倍政権とたたかう野党が相乗りしたことが、有権者の不信を生みました。また、40年続いた自民党主導の府政のもとで、府政が身近に感じられない事態もあります。私たち自身にも、府政要求を掲げ、共同の姿が見える日常活動で、文字どおり「府民が主人公」の活動を発展させる、いっそうの努力が求められています。

*今回の福山陣営のキーワードは、「つなぐ」でした。選挙戦で培った「人のつながり」をさらに前へ!「9条改悪」に執念を燃やす「安倍政権打倒」へ、府民のみなさんの新たなたたかいを心から呼びかけ、日本共産党を代表しての報告とします。
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