〈連載〉ストップ戦争法案③「戦争法案の危険性」

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第四回街で聞いた声
第五回戦争法案Q&A


 安倍政権の憲法違反まるだし戦争法案。


 3回目になりますが、今回はその危険性について3つの点で話したいと思います。


①まず一つ目は、従来政府が"歯止め"としていたものがなくなり、自衛隊が戦争に巻き込まれていく、ということです。


 前回お話しましたが、新設される国際平和支援法と周辺事態法の改定では、従来、自衛隊の活動地域を「後方地域」すなわち「非戦闘地域」としていたものを「現に戦闘を行っている現場」でなければ活動出来るようにしました。


 つまり、今現在戦場になっている場所でなければ従来政府が「戦闘地域」としていたところまで自衛隊が行って活動することになるんですよ。


 そこで自衛隊はどんな活動をするのかというと、「後方支援」という活動をします。これは支援する米軍の給油や物資の提供をするもので、政府は「"後方支援"だから米軍の武力行使と一体化してないし、自衛隊は安全だよー」というのです。


 しかし!


 実はこの「後方支援」という言葉が日本だけの造語なんです。事実、先日改定された新ガイドラインでも英語版では「logistics support」となっていて、この"logistics"という単語には"後方"の意味はありません。これを日本語訳すると「兵たん活動」というものになります。


 兵たん活動とは、さっき説明した後方支援とおなじく、給油や物資の提供をする活動で、この兵たん活動は国際的には武力行使と一体不可分で、攻撃の対象になるものとして明確にされています。


 だって考えてくださいよ。あなたが軍の司令官だとして敵が装備をどんどん補給しながら攻めてきたら、まずその補給部隊をつぶしに行くでしょ?


 兵たん活動が武力行使と一体で攻撃の対象になるということは国際条約や国際司法裁判所でも明確にされていますが、今回は自衛隊が一緒に活動する米軍の海兵隊教本を見てみましょう。


―――――――――――――――――
(海兵隊教本より抜粋)
兵たんはいかに重要か。兵たんは、軍事作戦のいかなる実施の試みにおいても不可欠な部分である。兵たんなしには、計画的で組織的な活動としての戦争は不可能である。兵たんなしには、部隊は、戦場にたどりつけない。兵たんがなければ、武器は弾薬なしになり、車両は燃料なしとなり、装備は故障し、動かないままとなり、病人や傷病兵は治療のないままになり、前線部隊は、食料や避難所や衣料なしに過ごさなければならない。
兵たんと戦争。兵たんは戦争の一機能であるがゆえに兵たんシステムとそのシステムを作動させる部隊及び要員は、暴力及び危険の対象となる。兵たんの部隊、設備、施設は軍事攻撃の格好の標的であることを認識することが重要である。
―――――――――――――――――


 こう書いてあるんですよ。日本政府がいくら、武力行使と一体ではない。自衛隊は安全だ。といっても、一緒にたたかう米軍が、それを全否定しているわけですよ。


 もう一つ言わせてもらうと、従来の「非戦闘地域」ではどうだったのか。この「非戦闘地域」というのも実はよくわからない概念で、どこが「非戦闘地域」かを判断するのは時の政権です。実際にイラク派兵で自衛隊が「非戦闘地域」で活動した際、2年半の間に14回23発にもおよぶミサイル・迫撃砲などの攻撃があり、当時の久間防衛大臣も「刃の上で仕事をしているようなもの」と証言しています。まさに現地で戦闘にならなかったことが奇跡で、何が起きてもおかしくない状況だったわけです。


 そしてそんな活動を、「戦闘地域」にまで行って行う。それが今回の戦争法案です。


②そして二つ目がPKO法の改定による危険性です。


 新設された「国際連携平和安全活動」でどんな事態が予想されるか。


 ここで実際に2001年から2014年にアフガニスタンで展開された、アフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)の活動を見てみましょう。このISAFでは2002年から2014年の13年間で3500人がなくなっています。これに参加したドイツ軍もはじめは井戸を掘ったり、学校を建てるなど平和貢献を行う予定だったんですが、結局はどんどん戦闘に巻き込まれてゆき戦後初めての地上部隊による戦闘行為をおこなうことになります。この作戦でドイツは自殺者も含め55人がなくなっています。そんな危険な活動に日本の自衛隊も巻き込まれていくわけですよ。


③そして3つ目。これまでは日本が戦争に巻き込まれていく話をしましたが、今度は日本が戦争犯罪をおかして再び加害者になってしまう危険性です。


 集団的自衛権の行使の問題で、政府は、「違法な武力行使をした国に日本が自衛権を発動することはない」と説明しました。


 しかし、この問題、僕は一般論で考えてしまっては非常に危険だと思っています。具体的に日本が集団的自衛権を行使するアメリカがどんな軍事戦略をとっていて、そして日本がアメリカに対してどんな態度をとってきたか。そこが非常に重要だと思うんですよ。


 アメリカの国家安全政策は2002年ブッシュ政権時には「敵対者によるこのような敵対的行動の機先を制し、あるいは阻止するために、必要とあらば米国は先制的に行動する」とし、2015年オバマ政権時にも「米国は、われわれの永続的利益が求める場合、必要なら一方的に、軍事力を行使する」とし、先制攻撃を国家戦略にしています。


 そしてそんなアメリカのこれまで起こした戦争に対し、一度も、たったの一度も反対したことがないのが日本政府です。国連が行ったアメリカへの非難決議に対しても反対する。そんな態度です。


 違法な先制攻撃を辞さないアメリカとそれに従属する日本。その関係を考えたとき、日本もアメリカの起こす侵略戦争に加担し、共に侵略者になってしまう可能性が十分にあると思います。


 3つの点から戦後最悪の政権による、戦後最悪の法案の危険性をみてきました。


 最近、色んな学者さんがこの法案は憲法違反だと言っていますが、この法案、武力の行使を禁止した憲法9条に違反する違憲立法であると!断言します!


 歴史を偽造し、アメリカ従属で武力行使をする安倍政権のウルトラ違憲立法。何としても止めないといけません。


 みなさん、一緒にがんばりましょう!


 それでは、次回はかえるネットの宣伝などでの街頭の声をいくつか紹介していきたいと思います。


 それでは!



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