若者を使い捨てにする企業、いわゆる「ブラック企業」への対策は、参議院選挙でも大きな争点となりました。日本共産党は、国会で企業名を上げて告発し、8月には「ブラック企業・雇用問題対策チーム」を発足させるなど、この問題に全力で取り組んでいます。
日本共産党の追及、世論と運動の高まりによって、国もついに動かざるを得なくなり、厚生労働省は9月を「重点月間」として、離職率の高い企業や法違反の疑いがある企業に立ち入り調査を行うことを決めました。全国で約4000社、京都でも約90社の調査が行われます。今月1日には全国の労働局で無料の電話相談が行われ、寄せられた相談は1000件を超えました。
こうした動きに逆行しているのが、いまの自民党です。京都3区選出の宮崎謙介衆議院議員は、8月31日付のブログで「ブラック企業、パワハラなど世論が煽りすぎ。根本解決としてしっかりとした骨のある人材を育成すべくキャリア教育を徹底し、すぐにドロップアウトをしない若者を育成すべき。」と書いています。
宮崎氏は「骨のある人材」を育てれば「ブラック企業」の問題は解決すると言いたいようですが、そもそも「ブラック企業」とは、「サービス残業」、パワハラ、退職強要など違法で悪質な行為を行っている会社のことです。「ブラック企業大賞2013」で大賞に選ばれたワタミフードサービスでは、26歳の女性が就職2ヶ月で過労自殺に追い込まれています。神奈川労働局では彼女の死を「残業が1か月あたり100時間を超え、朝5時までの勤務が1週間続くなどしていた。」と労災認定しました。また、教育的指導賞に選ばれたベネッセコーポレーションでは、社員を「人財部付」という部署に異動させ、社内の他の部署への就職活動を命じると同時に、単純作業を行わせていました。この「人財部付」という部署は、社員を自ら辞めるように仕向ける「追い出し部屋」にほかなりません。日本IBMでは、育休から戻った社員が「最低評価を付け続ける」と上司から宣告され、退職に追い込まれています。こうした働かせ方をやめさせるのではなく、「ドロップアウトをしない若者を育成すべき」などというのは本末転倒です。
非正規雇用の拡大は、労働者を取り替えのきくものとして扱うことを容易にし、「ブラック企業」が広まる土壌となっています。低賃金で不安定な雇用から抜け出せない状態が、若者の未来を暗く閉ざしています。宮崎氏に従えば、労働者はどのような過酷な環境でも働ける機械のようになることを要求され、たとえ過労死してもその責任は「自己責任」として労働者に転嫁されることになります。
若者の離職率の高さや過労自殺を若者の「自己責任」として扱うことをやめ、「ブラック企業」をなくすための法的な規制を行うことが、政府には求められているはずです。ところが、安倍政権はさらなる労働法制の規制緩和を進めようとしており、この問題とまともに向き合おうとしていません。
過労死をなくすために残業時間の上限を設けること、残業したのに賃金が支払われない「サービス残業」を規制することなどを法制化することが必要です。派遣労働は臨時的業務のみに制限し、その受け入れ期間は1年を上限とするなど、労働者派遣法の抜本改正も重要です。また、非正規雇用であっても正社員と同じ待遇を保障するべきです。人間らしい仕事と暮らしを求める「京都青年大集会」が10月6日に京都の円山公園音楽堂で、「全国青年大集会」が10月20日に東京の明治公園で開催されます。日本共産党は、青年や学生をはじめとする世論や運動と結んで「ブラック企業」根絶のために全力を尽くします。
(R)












