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丸・竹・夷

(496)肝心要の的がない「アベノミクス」

 1999年に発売された『痛快! 経済学』が話題をよんだ市場万能主義・市場礼賛主義の経済学者、中谷巌氏。
 同氏がそれから10年もたたぬ2008年12月に『資本主義はなぜ自壊したか...「日本」再生への提言』で「自己批判」したのは記憶に新しい。
 「すべて市場にまかせればよい」「規制を緩和し、企業が活動しやすいようにすれば経済はうまくいく」という市場万能主義破たんの象徴的な出来事でした。

 新自由主義にたった小泉構造改革の結末はどうだったか。大企業の内部留保は100兆円以上も積み上がり、経営者の報酬、株式投資は増えました。しかし、労働者の賃金、国内への設備投資は1割も減りました。結果、日本は成長の止まった世界の「例外国家」に。

 新自由主義的構造改革の進行⇒貧困・格差の拡大⇒国民の所得低下⇒国民の消費需要の低迷。これこそ、今日のデフレ不況の原因です。

 では、いま政府が宣伝にやっきの「アベノミクス」で、この悪循環から脱出できるのか。①大胆な金融緩和、②大規模な大型公共工事などの財政出動で需要喚起、③「世界一企業が活動しやすい日本」で成長産業を育成するという「三本の矢」。一番肝心の「国民の所得を増やす」という的そのものがありません。

 高い支持率を誇る安倍政権。しかし、世論操作で国民の暮らしの現実は動かせません。
 国民の所得を増やしてデフレ脱却へ。「働くみなさんへのアピール」を手に、「暮らしは楽になりましたか?」のよびかけを広げるときです。(TH)

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