名勝・嵐山の渡月橋北西詰に立看板――「現在の発電量4.0kw」の電光文字が光っています。立看板から河畔に面した遊歩道を上流に向かっていくと、落差2メートルにも満たない小さな堰堤のかたわらに、なにやら白い金属箱らしきものが置かれています。
地元・嵐山保勝会が2004年12月に設置・運用を始めた小型水力発電設備です。発電された電力は渡月橋の常夜灯に用いられ、夜間、やさしくぬくもりのある灯りが、渡月橋をライトアップしています。
同年2月、温室効果ガス削減を目指した京都議定書が発効されたことを機に、環境に配慮したエネルギー源として注目を集めていたひとつにミニ水力発電がありました。当時、渡月橋の夜間照明設備の設置を求めていた保勝会の人たちが、「環境にやさしい取り組みをしていることをアピールしよう」と行政に掛け合い、実現にこぎつけたものです。
今では全国の行政、商工業関係者らが視察に訪れます。また東京電力福島第一原発事故以後は、自然再生エネルギーへの関心の急速な高まりから観光客にも同設備の存在が知れ渡るようになったと言われています。
筆者が熱心に設備の写真を撮っているとガイドブックを持った3人の若い女性が興味深く声かけてきました。設備のことを説明すると「あれで水力発電しているんですか」「へえ、あんなちっちゃなもんでできるの」「ダムと同じ仕組みだって」「ふーん。どこでもやれそうやん、こんな水の落ちる川どこでもあるやん」と会話がもりあがり、やがて「原発必要なの」と話が進みました。
多くの観光客が訪れる名勝・嵐山。「ここも若狭湾の原発から60キロしか離れていないんですよ」と言うと「ウッソー」。驚いた表情が返ってきました。
原発事故からまもなく一年。3・11を前後して各地で「脱原発」の様々な催しが取り組まれ、多くの人に参加がよびかけられています。(と)












