JCP京都

2006年11月14日掲載

松尾の「はしご地蔵」

 はしご地蔵と呼ばれる地蔵はチョッと珍しい名前である。おそらくここ以外には例を見ないのではないかと思われる。

薬師禅寺にある小堂
旧道沿いにある石標 薬師禅寺にのぼる階段

 この地蔵尊は、嵐山渡月橋より嵯峨虚空蔵(法輪寺)を経て、松尾大社にいたる旧道沿いにある。少し見つけにくいが、「はしご地蔵尊」と刻んだ石標から、狭い階段を少しのぼった山の傾斜地に面してある、薬師禅寺の本堂の傍らにある。

 寺伝による詳細は省くが、この地蔵は幼児の寝小便や下の世話をうける病人の平癒祈願に霊験があるといわれている。変わっているのは、参拝者がお礼に小さなはしごをつくって供えるならわしである。このはしごは5歳なら5段など、その人の年令に応じた段のはしごと言われている。しかしいまだに、寝小便とはしごの関係は明らかではない。(司)