JCP京都

2006年08月21日掲載

新京極の「鯉地蔵」

 新京極の繁華街のど真ん中、蛸薬師との交差点にある永福寺という寺の入り口、向かって右側の小堂の中に、「鯉地蔵」は安置されている。なぜ「鯉地蔵」なのかと聞けば、おもしろい言い伝えがあると教えてくれた。

 昔、ある若者がこの地蔵尊を信仰していた。ある日、主人のいいつけで文箱をもち、鴨川を渡ろうとしていた時に、足を滑らせて転倒したはずみに文箱を川に流してしまった。若者が茫然としていると、川中から鯉があらわれ、分箱を口にくわえて届けてくれた。

 よろこんだ若者が、無事用事をすませて帰宅すると、地蔵尊が全身水にぬれていたという。これを見た若者が、地蔵尊が鯉になって助けてくれたと知ったという。これを伝え聞いた人々は、それより「鯉地蔵」と呼び、いっそうの信仰を集めるようになった。(司)