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2018.11.23 (金)

府後援会総会での渡辺府委員長の情勢報告

2018年度京都府日本共産党後援会総会への報告(大要)    2018.11.23 渡辺和俊
 市民と野党の「本気の共闘」へ、日本共産党が伸びてこそ
   ~比例30万・第一党めざす京都の位置・役割に自覚と誇りを持って~
 
 《国民運動で包囲して安倍政権打倒へ》
 
 来年の連続選挙(統一地方選と参院選)は、従来にない特別の意義をもっています。
 「安倍政権を倒すときが来た」……ここに参院選の歴史的意義があります。
 安倍政権打倒のためには第1に、これを包囲する国民運動の前進が必要です。直近の世論調査では、今国会への自民党改憲案提出に「急ぐ必要なし」70%「今国会で出すべき」20%、辺野古の工事再開は「妥当ではない」54%「妥当」35%、消費税10%増税「反対」50%「賛成」42%(「朝日」)。消費税のポイント還元に「反対」60%「賛成」26%、入管法改定「今国会にこだわらず」66%「今国会で成立」9%(「毎日」)等々、安倍暴走は国民の支持を得ていません。下村自民党憲法改正推進本部長が、憲法審査を巡って野党に「職場放棄」と非難、審査会幹事の辞任に追い込まれました。これも、改憲に前のめりな安倍政治の破たんの現れです。悪政の一つ一つに国民的闘いを起こしましょう。
 
 《「本気の共闘」と党躍進で安倍政権倒し、自民党政治を終わらせる》
 
 安倍政権打倒の第2のカギは、市民と野党の「本気の共闘」勝利と、日本共産党躍進で、自公と補完勢力(維新)を参院で少数に追い込むことです。
 安倍与党は衆・参とも議席の3分の2を握っていますが、昨年の総選挙の自民党の得票率は33.2%。棄権した人も含めると18%弱の支持しか得ていません。なのに、圧倒的議席を占めているのは小選挙区制の弊害ですが、同時に野党共闘の“本気度”が国民の目に映っていないからです。衆院小選挙区も参院1人区も、「本気の共闘」で野党候補一本化が成れば、オセロゲームみたいにひっくり返せる。ところが、昨年の総選挙では大逆流(民進党の希望の党への合流)が起こり、60余の小選挙区で候補者をおろした共産党の緊急対応で何とか共闘を救ったが、大逆流の傷は深く、自民党が息を吹き返したのです。
 まさに今、日本の政治の焦点は、市民と野党の「本気の共闘」が成るかどうかにある。「本気の共闘」とは、①豊かで魅力的な共通公約をつくる、②本格的な相互推薦・相互支援を行う、③政権問題で前向きの合意をめざす……この3点で野党が合意することです。
 参院選では総議員数の半分=121人が改選を迎えます。現在、自民(123)・公明(25)維新(11)など「改憲派」は最大169議席を占め、改憲発議に必要な3分の2(162)を上回っています。安倍首相の改憲の執念は、いささかも軽視できません。同時に注目すべきは、改憲派169人のうち今回改選が92人と、非改選77人を大きく上回っていることです。この92人は、まだおよそ野党共闘が話題にもならなかった2013年参院選の選出です。当時31の1人区で野党の勝利は沖縄だけ、残る30選挙区は自民党が議席を独占しました。3年後の2016年参院選では、改憲派の当選は77人。それは、32の1人区全てで野党候補を一本化して11人が勝ったからです。ただ、あの選挙では一本化はしたものの、例えば「原発ゼロ・再稼働反対」の野党の共通の旗は鮮明ではなかった。沖縄辺野古基地問題でのスッキリした合意もなかった。それでも、11選挙区で勝ちました。
 今年の通常国会では、共産・立憲・社民・自由の4野党が共同で「原発ゼロ基本法案」を提出しました。「オール沖縄」の玉城デニーさんを国政野党が結束して支え、圧勝しました。原発問題と沖縄の基地問題が明確な共通公約になる条件が広がっています。
 去る16日、半年ぶりに開かれた市民連合(安保法制廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)」と5野党の意見交換会は、野党の選挙協力の気運を高める重要なとりくみでした。同時に、候補者一本化の調整は中央段階での政党の責任であり、わが党は真剣な協議を呼びかけていますが、まだ実現していません。
  2016年の“発展途上”の選挙協力でも11選挙区で野党は勝った。今回改選の92人の改憲派を2016年並みの77人まで減らすだけで、改憲派は3分の2を割る。「本気の共闘」で32の1人区で野党が圧勝すれば、その勢いが比例選挙にも反映して改憲派を少数に追い込める。政局の主導権を野党が握り、安倍政権打倒はもとより、市民と野党の共闘で自民党政治を終わらせる道が開けます。ここに、参院選の歴史的意義があります。
 
 《「共産党が伸びるかどうか」を焦点に京都は激しいせめぎ合い》
 
 この連続選挙、京都では、知事選以来の情勢の発展によって、「共闘前進のためには共産党が伸びてこそ」と、たいへんわかりやすくなっています。
 知事選で、福山さんが自民党府政下最高の44.1%の得票で大健闘しました。これは、無党派層の過半数、立憲民主党支持層の6割を獲得したものでした。「『自公』対『市民+日本共産党』」の鋭い対決のもと、「安倍政権を倒したい」「野党は共闘を」と望む広範な市民が日本共産党に共感を寄せる新しい情勢を切り開きました。10月の大山崎町長・町議選(定数12)では、日本共産党が支持した前川光さんが当選、保守を含む広い町民との共同に尽力した日本共産党が1増の4議席に伸ばしました。
 前川大山崎町長は、「しんぶん赤旗」紙上で次のように語りました。
 「私は8年前まで自民党にいて、選挙では『保守政治家』とアピールしました。一方で、共産党とはトップダウンの強引な町政運営に対して、ともに対決してきた信頼関係がありました」「相手側は府知事が現職町長を応援しているとのポスターを張り出しましたが、『国、府とのパイプが強い』といったやり方は、結果として町民に通用しなかった」「(保育所の)保護者の運動、草の根の活動、共産党の奮闘が新しい町政を求める流れをつくり、大きな組織に勝った」
 産経新聞も、この一連の経過を次のように報道しました。 
 「共産『市民共闘』で勝利」「元自民党員と『合致』」。「共産は現町政に異議を唱える市民団体と連携するなど、『市民共闘』を前面に出し、同時に行われた町議選でも善戦。同様の戦い方は4月の知事選でも成果を上げており、来春の統一地方選にも影響を与える可能性がある」(10月27日付「産経」)。
  いずれも、この間の京都の情勢と共産党の立ち位置を的確に語ってくれています。
 来春の京都市議選で、知事選をともにたたかった白坂有子さんが東山区で、井崎敦子さんが左京区で無所属立候補し、党は東山区で公認候補を立てずに白坂さんを支持して当選へ力を尽くします。左京区は、前回定数が9から8に減り、富樫豊さんが議席を失いました。これを回復して3人全員当選を実現することが、党の絶対的目標であり、市民への責任です。党は、井崎さんへの組織的支援はできませんが、出馬を歓迎する態度で臨みます。
 安倍政権は、地方自治体に対して「国際競争力」の名のもとに、不要不急の大型事業を押しつける一方、福祉を削り、地方自治体の公的責任を民間に売り渡す路線を突き進んでいます。安倍政権の“地方壊し”が京都でも鋭く現れています。ムダと環境破壊の北陸新幹線やリニア誘致がその典型であり、「観光で稼ぐ」政策がホテル建設ラッシュを呼び、違法民泊急増とあいまって、かつてないまち壊し、住民の暮らし破壊が進行しています。
 暮らしとまち破壊を進める「オール与党」体制か、市民と共同して京都のまちと暮らしを守る共産党かという対決となっているのが、京都の政党状況です。
 以上のように、知事選以来の経過を見ても、府政や各自治体の政党配置を見ても、「日本共産党が伸びてこそ」ということが、これほどわかりやすい選挙はありません。
 そこで強調したいのは、国政での「本気の共闘」めざす野党間協議が、本格的には統一地方選後にずれ込む可能性もあるということです。ならば、統一地方選挙で日本共産党が伸びるかどうか、このことが国政での野党共闘の発展如何を左右することになります。
 前回2015年の統一地方選は、民主党政権崩壊と「第三極」乱立という政党状況の下で、民主党が大きく議席を減らし、わが党が議席を増やしました。今回は、前回にはなかったいくつかの条件が選挙情勢を激しくしています。
 ①国民との間で大きく破たんしつつある自民党が、これを挽回しようと定数2名の府会選挙区で2人を擁立するなど、攻勢的立候補で必死に挑んでいること。
  ②民主党・民進党がなくなり、国政では共闘の相手となっている立憲民主党も候補者を次第に増やし、わが党と競い合う関係になっていること。
 ③維新がこの間京都の8議会で11議席を獲得し、わが党が議席を持ついくつかの府会選挙区で、明らかに自民党と連携して“共産党落とし”の布陣を敷きつつあること。
 
 以上のように、京都における政治情勢の面白さとともに、選挙情勢の激しさ・厳しさも、前回選挙とは違った様相を見せています。
 
 《全戸ビラとDVDで党と比類なき倉林議席の値うちを語りぬこう》
 
 こんな情勢だからこそ、京都の各地方議員(団)の値うちを押し出す論戦が重要ですが、同時に国政の太い論戦、国政での党議席の値うちを語ることが、いつに増して重要です。
 その点で強調したいのは、倉林明子全戸ビラとプロモーションDVDです。
  「われわれの落ち度」という麻生大臣の答弁を引き出して中小業者への「差し押さえ」をストップさせ、10万人を救った実績はピカ一です。ビラの裏面では、「5年前、共産党に渡してしまった議席を奪還するためにも、連合京都は一本化でないといけない」という連合幹部の発言を紹介して「安倍政権打倒の本気度が問われている」と批判し、「市民+共産党が京都の政治の流れ」と押し出しています。
 比例30万票・第一党を実現し、定数2の参院選挙区がどんな組み合わせになっても、絶対に倉林議席を守り抜く。広い京都で候補者は一人しかいません。まして現職ですから、なかなか選挙で全京都をくまなく回れません。ぜひ、倉林明子プロモーションDVD(19分:党府委員会ホームページにも動画アップ)を見ていただき、この全戸ビラをよく読んでしっかり身につけ、元気に一気に配っていただくことをお願いします。
 あわせて、府議選で過去最高の15議席以上、京都市会では自民党を追い抜いて第一党、後半戦も含めて議席増実現へ、いよいよ“統一地方選挙前面”の活動に踏み出しましょう。

                                                      
 
 
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