JCP京都

花のある寺

2005年12月1日掲載

⑧ 「神応寺」(亀岡市)

そのまんまの秋があった

 亀岡駅から八木へ向う道すがら、千歳山麓に「やわらぎの里」と自称する地域があった。いにしえの丹波街道を歩く丹波七福神めぐり。その最初の寺が曹洞宗・神応寺(じんのうじ)。七福神=神応寺(毘沙門天)、養仙寺(福袋尊)、蔵宝寺(大黒天)、金光寺(弁財天)、耕雲寺(恵比寿)、極楽寺(寿老人)、東光寺(福禄寿)。

 これもまた「花の寺」とあったのでイメージして立ち寄ったところ、これまで出会ったものとはかなり違っていた。「そのままにある」といった感じだ。石仏庭園・「花の菩薩 瑞雲三十三観音」は、花と石仏の関わり方に意味がある、不思議な空間をつくりだしている。花菩薩 のんのん ののさま。般若心経一字仏。8月には狭いなかに一万本のローソク(石仏万灯会)が灯るそうである。

 丹波七福神めぐりは、日本一早まわりの巡拝と紹介されている。6キロを半日かけて、それぞれの専門の至福の道への指南をうけ、人生をより楽しく生きる知恵を授かれるとのこと。

 この他にもたくさんの、古の緑と芸術がこの地域には存在する。一日かけてもたっぷり楽しめると思った。(かわ・たつ)