JCP京都

花のある寺

2005年10月12日掲載

④ 「浄瑠璃寺」(京都府加茂町)

四季を訪れる浄瑠璃寺

 目に飛び込んできた棚田は見事だった。

 浄瑠璃寺に向かう農道は、日頃のコマーシャリズムのない古の世界。沿道には馴染み深い地元野菜などの直販店が各所に。これは浄瑠璃寺に向かう道程の楽しみの一つ。今日は、少し季節遅れだが葉つき新生姜を買った。それと新米も…。

 考えてみれば、佐伯住職の『古寺めぐり仏教常識』との出会いが、古寺と向き合うこれまでの姿勢に転換をもたらしたと思う。寺院の構成、釈迦や薬師如来、阿弥陀如来、菩薩などの登場人物の歴史的任務と役割。「これらをある程度頭に入れて、みると見ないとではかなりの違いがあるに」非常に納得。その「常識」を理解し、寺の門くぐり、数々の仏教美術に接するとき、新たな驚き、感動が沸いたのも発見の一つ。浄土式庭園と三重の塔。九体の阿弥陀如来(国宝)。どれも訪れるたびに違った想いが湧き出てきます。

 浄瑠璃寺は四季に訪れるのがいい。春は古を華やかに飾る野草にあふれ、秋は古にマッチした野草がそれぞれの居場所をもつ。主犬「じんべい」とも馴染みに。四季をとおして主人公の多さが何よりの魅力です。そして、野仏の道を抜けて笠置温泉で一休みが至福のコースかと。(かわ・たつ)