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京都府委員長が若い世代に語る。 憲法と日本共産党

《天皇制・憲法・日本共産党》

 「天皇制に批判的なはずの共産党が、『憲法の全条項をまもる改革』を言うのは何故?」というご質問が、先週の私の一文を読んだ方から届きました。
 日本共産党綱領は、当面の民主主義革命の段階で、「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」と明記しています。つまり、「象徴天皇制」を規定した憲法の第1章・1条から8条の天皇条項も守るということです。


  同時に、綱領では、天皇制について次のように党の立場を率直に明らかにしています。  「天皇条項については、『国政に関する権限を有しない』などの制限規定の厳格な実施を重視し、天皇の政治利用をはじめ、憲法の条項と精神からの逸脱を是正する。党は、一人の個人が世襲で『国民統合』の象徴になるという現制度は、民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく、国民主権の原則の首尾一貫した展開のためには、民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだとの立場に立つ。天皇の制度は憲法上の制度であり、その存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきものである」。
 つまり、民主主義革命の遂行と象徴天皇制の継続は矛盾しない、共存できるという立場です。今、日本社会がかかえる問題の根本に、「象徴天皇制を続けるか、廃止するか」という選択が横たわっているわけではありません。TPPでも、原発でも、米軍基地の問題でも、問題の根本にあるのは、「アメリカいいなりの政治」「財界・大企業中心の政治」を続けるのか、これを改革するのかが焦点です。平たくいえば、現天皇や皇室を敬愛し、一方で「TPP反対」「原発再稼動反対」とデモに参加し、この切実な願いを実現するために共産党と協力したり応援している人は、いくらでもいます。「しんぶん赤旗」は、天皇と皇室にことさら敬語を使いません。私自身も使ったことはありません。同時に、私たちは、敬語を使う人たちと、普通に仲良くすることができます。
 
 日本社会がかかえるホットな問題のひとつに、「歴史認識の問題」があります。
 橋下大阪市長や安倍首相は、先の戦争は「正しい戦争」だったという立場です。一方、先の戦争は、「国策を誤り」行った植民地支配と侵略だったという「村山談話」が、歴代政府の公式の立場です。
 この問題をめぐっては、今の天皇の父=昭和天皇は、明治憲法のもとで軍の統帥権をもつ元首として、侵略戦争と植民地支配を指導した戦争責任があった。このことをきっちり裁けずに戦後日本の政治がスタートしたために、「あの戦争は正しい戦争だった」という時代錯誤の潮流がいまだに幅をきかす。ここに、日本の政治の後進性があります。
 明治憲法のもとでは、天皇が国民の上に立ち、国会や内閣の上に立つ絶対的権力を持ち、国民を抑圧するとともに、侵略戦争という間違いを犯しました。ですから、日本共産党は戦前、この「絶対主義的天皇制」を除かなければ国民の幸せはないと、命がけでたたかいました。また、戦後一貫して昭和天皇の戦争責任を追及してきました。昭和天皇の戦争責任は、今なお〝時効〟にできるものではありません。
 今の憲法が、「国民主権」を大原則とし、天皇に政治的な権限を与えていないことは、歴史の大きな進歩でした。同時に、現憲法のもとで主権者となった国民の多数が象徴天皇制を受け入れている限り、この制度は続きます。

 現天皇や皇后は、このあたりの歴史的経過、事情をよく理解していると、私は思います。
 将棋の故米長邦雄氏が、現天皇に「(東京都の教育委員として)日本中の学校で、国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが、私の仕事でございます」と言ったとき、天皇は、「やはり強制になるということではないことが望ましい」と、やんわり諫めました。
  「天皇元首化」をめざす勢力は、天皇の靖国神社参拝を求めてきましたが、現天皇は参拝したことがありません。また、現天皇が、2001年12月の記者会見で、「私自身としては、桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると続日本紀に記されていることに韓国とのゆかりを感じています」と述べたことを、私は印象深く聞きました。天皇元首化をめざす勢力は、従軍慰安婦問題などで朝鮮の人々をおとしめる発言を繰り返していますが、天皇は皇室に朝鮮の人々と同じ血が流れていると述べて、朝鮮をはじめ、アジアとの親近感を示したのです。ここには、朝鮮への侵略と植民地支配を反省する気持ち、侵略の反省に立って制定された現憲法を尊重する気持ちが込められていると、私は思います。
 今の天皇・皇后は、「象徴天皇制」を否定する流れと自分たちの存在は両立しない、現憲法を厳格に守ってこそ、皇室は生き残れると考えていることが伺われます。
 私は、昨年の「東日本大震災1周年追悼式」で、当時の野田総理大臣の式辞は、いかにも官僚が書いた作文で、心がこもっていないと思いました。これに比べて、天皇の追悼の言葉の方が、よほど国民の気持ちに寄り添っていると、感じたものです。現天皇を手放しでほめたたえるわけではありません。言いたいのは、このことにも、国民の気持ちと離れては、象徴天皇制の存続はないという天皇の認識を見たのです。
 国民の多くも、「象徴天皇制」を受け入れているのであって、明治憲法への逆戻りを望んでいるわけではありません。このことがわかっていないのが、「天皇元首化」を自らの改憲案に掲げる自民党や維新の会であり、産経新聞や読売新聞です。
  「象徴天皇制」を支持する人々、天皇や皇室を敬愛する人々とも力を合わせ、憲法を守り、憲法の全条項が生きる改革のために、日本共産党は力をつくします。
  ( 2013年6月11日)
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