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京都府委員長が若い世代に語る。 憲法と日本共産党

《憲法96条=「立憲主義」の原則を守る揺るぎない世論を》

 「絶対ダメだよ。邪道。憲法のなんたるかをまるで分かっちゃいない」「権力者も人間、神様じゃない。堕落し、時のムードに乗っかって勝手なことをやり始める恐れは常にある。その歯止めになるのが憲法。つまり国民が権力者を縛るための道具なんだよ。それが立憲主義、近代国家の原則。だからこそモノの弾みのような多数決で変えられないよう、96条であえてがっちり固めているんだ。それなのに......」。毎日新聞4月16日付夕刊で、小林節慶応大学教授が、怒っています。
 4月9日に、安倍首相と橋下日本維新の会共同代表が会談し、「憲法96条改定」で合意し、これを「参院選の争点にする」とぶち上げたからです。

 「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない......」。これが、96条です。安倍・橋下合意は、「3分の2」を「2分の1」に変えようというものです。
  小林教授が言うように、世界の主な国々は、「立憲主義」の原則のもと、憲法改正のハードルを厳しく設定しています。韓国は、ほぼ日本の96条と同じです。アメリカは、連邦議会の上下両院の3分の2の賛成で発議され、全米50州のうち4分の3の議会での批准が必要です。小林教授によると、諸外国でこの改正要件を変えるための改憲が行われた例は「記憶にない」とのことです。
 なぜ安倍内閣は、そうまでして96条を変えたいのか?小林教授は、問題だらけの自民党憲法改正草案そのものの中に真意があると、次のように批判します。
 「例えば(自民党改正草案の)24条は『家族は互いに助け合わねばならない』とある。ほんと余計なお世話だね。憲法が国民の私生活や道徳に介入すべきじゃないんです」「そこにあるのは、『なんじら国民に憲法で教えを授ける』という姿勢だ」「『上から目線が』抜けないからこんなものになる」と、手厳しい。
 小林教授は、かつて自民党の憲法改正案を指南した人。また、今も以前も、9条に関してはれっきとした「改憲派」です。大切なことは、9条についての意見の違いがあっても、「96条改定反対」では一致することです。もともと、安倍首相や維新の会は、9条を変えたいのがホンネです。しかし、これには国民の抵抗が強い。この点で、20日の「しんぶん赤旗」に興味深いアンケート結果が紹介されました。日高教(日本高等学校教職員組合)が、昨年1万人の高校生を対象に行った憲法意識調査の結果です。憲法9条について、「変えない方が良い」が63%、「変える方が良い」が14.4%、「わからない」が20.8%。「戦後日本が平和であり続けた理由は何だと思いますか」(複数回答)の問いには、「日本国憲法があるから」が42.6%で最多。「世界の国々と平和・信頼の関係が築かれているから」が34.2%、「平和を求める運動があるから」が31.1%、「日米安全保障条約があるから」が28.9%でした。次代を担う高校生の健全な声に、希望の光を見た思いです。
 この9条を変えるために、まず「手続きを緩和しよう」というのが、安倍さんや橋下さんのねらいでした。しかし、96条を単に「手続き問題」ととらえたところに、この人たちの憲法認識の甘さがありました。「立憲主義」、ひいてはその根本にある「国民主権」の考えがきわめて希薄な人たちに、近代国家における憲法を語る資格があるでしょうか。

  今年も、5月3日の憲法記念日が近づいてきました。京都でも、当日、午後2時から円山音楽堂で恒例の集会が開かれます。今年のメインスピーカーは、折々に護憲のメッセージを発信してきた脚本家のジェームス三木さんです。集会の主催者は「憲法9条京都の会」です。今回は、「9条」とともに「96条」の意義に光があたる集会になるでしょう。
  この集会に、多くの高校生をはじめ、若い人たちがたくさん参加してほしいと、心から願っています。
  なお、「96条改定」の動きに対して、3月19日に日弁連(日本弁護士連合会)が、衆議院議長などに意見書を提出しました。日本中の弁護士が全員所属する日弁連が、「96条改定は絶対にダメ」と理を尽くして批判しています。たいへん勉強になる、しかもわかりやすい意見書です。ぜひ、この機会に読まれることを、おすすめします。
(2013年4月23日)

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