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丸・竹・夷

2014年8月アーカイブ

 その一瞬、時計がとまったかのようでした。委員会室の空気が固まったようでした。
 1976年、国会は「ロッキード事件」に騒然とした状況になりました。ロッキード社による航空機売り込みにからぬ巨大な疑獄事件として、田中角栄総理をめぐる「田中金脈問題」として大問題となりました。
 田中総理の「刎頸の友」―政商・小佐野賢治氏が国会の証人喚問によびだされました。小佐野氏は「記憶にございません」を連発しました。事実と違うことを答えれば、偽証で議員証言法違反になることから、「苦肉の策」の答弁です。
 その時です。「記憶にないということは、その事実を否定できないのですね」との追及です。「記憶にございません」という答弁ですり抜けようとしていた人たちに衝撃が走りました。まるで「頭が真っ白になった」かのような小佐野氏の表情をいまも忘れることはできません。弁護士出身ならではの、的を射た追及でした。
 追及にたったのは、日本共産党の東中光雄衆院議員です。同志社大学出身です。連続10期当選、30年にわたって活躍されました。8月7日亡くなられました。90才でした。
 「最近の原発訴訟の判決のあと、裁判所の前で、『司法は生きていた』というたれ幕が掲げられていたが、私は、過労死防止法成立の事実から『国会は生きていた』と実感した」
 いまから16年前・1998年、当時たいへん話題となり、大きな反響がありました。岩波新書の『過労自殺』(川人博弁護士)です。この本の第2版がこの7月発行されました。「過労自殺をなくすために、初版以降の情勢の変化に対応し、初版をほぼ全面的に書き改めた」と記されています。
 第1章に深刻な事例が列挙されています。「わが国の将来を担う若者の多くの悲しい死を前にして、私は日々暗澹たる気持ちになる」との著者の思い。まったく同感です。
 同時に注目したのが、最初に紹介した一節です。この本の最後にのべられています。被害者家族と国民的運動が政治を動かしている―がんばってきた人だからこその実感でしょう。
 「国民の世論、家族を過労死で亡くした方々が議員への要請活動を重ねる中で、全会派で過労死防止対策推進法が成立できたんです」「今国会で労働者派遣法を廃案にし、過労死防止法対策推進法を成立させた。これは大きな成果であり、おおいに確信とすることができるのではないでしょうか」
 いま、連日の猛暑の中、京都府内各地で開催されている国会報告会での倉林参院議員の訴えの一部です。
 「司法が」「国会が」そして「議席が生きていた」―こう言えると思います。
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