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活動と政策

2016.1.17 (日)

京都市長選 本田市長で安倍暴走にノーを

「戦争法廃止」に注目本田候補訴え、現職陣営あわてる
市民生活に痛み渦巻く不満 本田市長で安倍暴走にノーを

京都市長選 記者座談会(「しんぶん赤旗」2016年1月11日付より転載しています)  京都市長選(24日告示、2月7日投票)は、「憲法市政みらいネット」の本田久美子さん(65)=京都教育センター事務局長、日本共産党推薦=と現職の門川大作氏(65)=自民、公明、民主推薦=の事実上の一騎打ちです。その様相を担当記者で話し合いました。  A 門川市長を推す自民党、公明党や民主党があわてているね。9日の門川陣営の事務所開きでも自民党の西田昌司府連会長が「そんなに甘い選挙ではない。非常に厳しい」と引き締めた。公明党の竹内譲府本部代表は、共産党が宮城県議選で議席を倍増させたことにもふれ「油断すると負けてしまう。共産党は勢いがある」「門川が危ない」と危機感をあらわにした。  B 事務所開きに自民、公明、民主の京都選出国会議員を並ばせ、自民党の谷垣禎一幹事長が「共産党も活気づいている」と総力戦を呼びかけたのも異例だ。  C 門川陣営の危機感には理由がある。ひとつは、戦争法だ。強行した安倍自民・公明政権への怒りと「京都から戦争法廃止を発信したい」という本田さんへの期待の広がりを彼らも敏感に感じている。  A 市長選が戦争法・改憲をめぐるふたつの潮流の激しいぶつかりあいとなっているというのに、民主党は引き続き自民・公明市政への相乗りを選択した。民主党の泉健太府連会長は相乗り批判に「相乗りは利点」(9日の事務所開き)と言ってみたものの大義がない。あるのは各紙が書いているように「非共産」だけだ。  C 戦争法廃止の願いを託せるのは幅広い市民と共産党が推す本田さんしかいない。本田さんが出馬表明したのは戦争法が強行された昨年9月19日。「憲法を踏みにじる安倍政権への怒り、市民の声が私の背中を押した」という。  B 推薦人には、それまで本田さんと面識がなかった同志社大学教授の浜矩子さん、岡野八代さんも名を連ねた。安保関連法に反対するママの会@京都の西郷南海子さんや原発ゼロの運動や戦争法反対に取り組むフリーライターの守田敏也さんなど幅広い人たちが勝手連的に本田さんを応援しビラにも登場している。  A 岡野さんに話を聞いたら「安倍政権を倒すためなら、なんでもやりたい。その一心。京都から政治を動かす風穴をあけたい」と思いが熱い。  C 本田さんは「市長になったら最初の仕事は、『全国平和首長懇談会』をよびかけること」と明言している。日本共産党京都府委員会の渡辺和俊委員長が7日の「憲法市政みらいネット」の新春のつどいで「こんな市長が京都に誕生したら、間違いなく全国に衝撃が走ります。『戦争法廃止』へ大きなうねりが起こります」とあいさつしたが、まさにその通りだ。  ●改憲勢力の矛盾  A 「第3極で京都の政治を変える」と豪語していた地域政党の「京都党」と「京都維新の会」は、結局、独自候補擁立を断念した。その背景にも、戦争法・改憲問題がある。  B 「京都維新の会」から出馬要請された「京都党」代表の村山祥栄市議は、後援会の猛反対にあい、出馬を見送った。「共産党推薦の候補を利するだけだ」というのが理由だったと報じられている。それだけ本田陣営の勢いを軽視できなかったということだ。  C 「京都維新の会」も矛盾が露呈した。市長選で参院京都選挙区の足場を築きたかったものの、〝親元〟の国政政党「おおさか維新の会」は、自民、公明といっしょに改憲の発議に必要な3分の2の勢力に入ると宣言。自公市政への対抗馬擁立を断念した。  ●与党危機感抱く  A 門川与党が危機感を抱く理由は、もうひとつある。門川市長の不人気だ。  C 自民党、公明党や民主党もなかなか門川氏の推薦を決めなかったね。一時期は、別の候補の擁立をほのめかしたこともあった。結局、3党とも推薦を決めたが、告示目前だというのに西田自民党府連会長が「(門川市長に)言うべき点はたくさんあり、直してもらう」(「京都」5日付)と公言するのは異例なことだ。  A 異例というか、異常というか。そんなに不満があるなら、推薦しなければいい。市民をばかにしているよね。  B 自民党支持層にも、それだけ不満が強いということだ。よく聞くのは「市民の声を聞かない」「トップダウンで強引だ」ということ。たとえば繁華街の四条通りの片側1車線化だ。  C 大変なことになっているね。渋滞でバスもなかなか進まない。お店の品物の配送にも苦労している。タクシーの運転手さんも、「あの通りは避けるようにしている」と嘆いていた。  A 門川市長も、よほど気になるのか、9日の事務所開きでわざわざ四条通りのことにふれた。ただ、あくまで「環境政策をどこまで理解していただくか」という立場だ。  B 学校統廃合とその跡地問題も批判が強い。京都市政はこれまで市内中心部にある小・中学校のうち68校を統廃合の対象にして17校に統合した。門川市長は「いかに財政効果が大きいか」と誇るだけじゃない。甲子園球場の3倍近い学校跡地を、ホテルなど民間のもうけに差し出そうとしている。町衆が財力を出しあってつくった番組小学校の歴史も役割も眼中にない。  A 世界遺産の景観問題もひどいね。下鴨神社の境内に高級マンションを建設、二条城北側に大規模駐車場…。京都駅周辺の再開発・高さ規制緩和。このままでは「京都が、京都でなくなる」という本田さんの訴えが、共感を呼んでいる。  C 暮らしへの不満も渦巻いている。観光客は多いのに、京都の経済・雇用指標は最悪水準だ。大手資本に吸い上げられ、お金が地元に回っていない。追い打ちをかけるように、門川市政は国民健康保険料、保育料などを値上げし、敬老乗車証の改悪に執念をみせ、市営保育所を次々と民間移管するなど市民に痛みを押し付けている。  A 平和で、歴史ある景観と文化が守られ、庶民が元気になってこそ、京都の観光や伝統産業・中小企業も発展する。立場の違いを超えて「平和憲法を生かし、誰もが安心して暮らせる京都市へ、ごいっしょに力をあわせましょう」と呼びかける本田さんとともに、京都を変えるチャンスだ。常に全国の政治を先取りしてきた京都で憲法市長を誕生させれば、そのインパクトが「戦争法廃止の国民連合政府」実現への大きな追い風になることは間違いない。
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