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活動と政策

2017.7.10 (月)

宇治市 太閤堤跡歴史公園整備事業予算可決 市民生活犠牲の巨額計画

共産党提案 関連予算削減の修正案、1票差で否決

 宇治市議会は6月30日の本会議で、総額88億円の大型開発事業となる「宇治川太閤堤跡歴史公園」(仮称)整備事業計画の設計・建設・運営費用を含む、本年度一般会計補正予算案を民進、自民らの賛成多数で可決しました。
 日本共産党宇治市議団(水谷修団長、7人)は、同事業にかかわる予算を削減する修正案を提案し、「市民生活を犠牲にする巨額整備計画であり、市民の理解も得られていない」と主張しましたが、賛成13人(共産、公明など)、反対14人(民進、自民など)の1票差で否決されました。

過去2度否決、総額88億円

 同事業は、京阪宇治駅の北西で見つかった宇治川太閤堤跡の保存を含め、面積2・5ヘクタールの土地に総事業費約88億円をかけて、観光施設などを整備・開発する計画です。
 同事業予算は市議会が過去に2度(15年9月、16年3月)、日本共産党や自民党、公明党などの反対で否決されており、市は今回、観光に特化して、三たび提案していました。
 市の説明では、財政規模の縮小、観光拠点を強調しましたが、開園後の15・5年間の収支予測では、従来計画に比べて1億4000万円の市民負担増が判明。事業設計や建設、管理運営などを20年に渡り市外の大企業に委ねるPFI方式の採用は従来通りです。
 議会論戦では、特化したとする観光客の増加予測や経済波及効果の見込みが不明であることがわかり、PFI事業のため、地元業者が参入できない問題点は解消されないままでした。
 30日の予算審議で日本共産党議員団は、28日に開催した「市政要求懇談会」で市民から寄せられた意見や要望を反映させるとともに、同計画に関して、▽事業規模の縮小▽PFI方式をやめる▽宇治公民館・市民会館の存続・建て替え―という根本的な見直しを求めました。
 予算案の可決を受けて水谷団長は、事業が具体化されるまでには業者の選定基準や契約をめぐる議案審査など、いくつもハードルがあると指摘。「整備計画は市民に歓迎されていません。太閤堤公園事業をやめさせて、子育てや暮らしにお金をまわさせるたたかいはこれからです」と話しています。


20170709b 予定地の南端に設置されている茶園整備の説明看板

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(「京都民報」2017年7月9日付けより)
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